歌花史庵 かかしあん

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ルリ男屋(蕪)月報

昨年末の暖かさから一変した極寒のルリ男屋に今月、ようやく冬の顔ぶれが揃った。こんなに暖かくてはルリ男会長は避暑から帰って来ないのではないかと囁かれていた先月末、ルリ男屋鳥報部員Mから「会長が降りて来た、真っ青な顔をしていた」との情報がもたらされた。


d0133693_11135410.jpg[顔どころか、臀部まで真っ青なルリ男会長]成人男子である会長に蒙古斑はない。臀部まで真っ青になるほどの事態がルリ男屋に起きていることは間違いない。


d0133693_1162879.jpg最初に我々の前に姿を現したのはジョビ子。気が強くやり手で知られる彼女は今季、来訪者に喰ってかかり、会長の執務スペースをも凌駕し始めた。これはジョビ子によるルリ男屋乗っ取りかと噂され始めた頃、新たな目撃情報によりルリ男屋内部の骨肉の争いが露呈した。


キーパーソン、瑠璃子の登場で更なる混乱を見せるルリ男屋
d0133693_11522830.jpg[登場する瑠璃子]


d0133693_117453.jpg[会長とジョビ子の間に割って入る瑠璃子]瑠璃子が会長の妻であることは確認されていないが、自分の存在を主張しジョビ子と争い、うっかり居合わせたルリ男会長は真っ先に逃げ出す、と云う混乱状態がしばしば目撃されている。


d0133693_1172640.jpg[おやつを自慢するジョビ男]今季のルリ男屋には他に2人のジョビ子が派遣されているが、ジョビ男は敷地の外で虚勢を張っているだけ。敷地の管理者でさえ「え?オスのジョウビタキいるんスか?自分まだ見てないっス」と言うほどの存在感のなさだ。


d0133693_1174866.jpg[満車の案内をするジョビ男]ジョビ男が中に入れないほどの密集度で、広いルリ男屋の敷地の一角だけにルリ男会長と瑠璃子、ジョビ子の三人がひしめき合うのはなぜか。その答えは会長が姿を現して間もなく明らかになった。


d0133693_11185648.jpg[もうひとりのルリ男]高いパーテーションで区切られたもうひとつの大部屋の奥に、やはり臀部まで青いもうひとりのルリ男が姿を現した。


d0133693_1121447.jpg[カメラマンの指示でポーズをとるもうひとりのルリ男]姿を捉えたいカメラマンがご馳走を持ち寄り接待を繰り返した結果、気さくにポーズまで取るようになった彼は、一時会長より人気があったようだ。


d0133693_11421469.jpgd0133693_11423221.jpgd0133693_11424435.jpg[左からルリ男会長、瑠璃子、ジョビ子]同族の瑠璃子と乗っ取りを計るジョビ子、壁の向こうでルリ男屋の顔になりつつあるもうひとりのルリ男、彼らの存在が会長を悩ませ、あれほど青くなってしまったのだろうか。

d0133693_11463798.jpg[やんちゃなルリ男ちゃん]ルリ男屋深層部には、まだそれほど青くないルリ男ちゃんも控えている。


d0133693_1148111.jpg[チャラいルリ男]更にその奥には鏡で自分を見つめる若いルリ男も。冬のルリ男屋、まだまだ目が離せない。

ねずみに耳を齧られた説もあり。
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by ekoekolove | 2012-02-29 10:15 | 繪子譚日日新聞

気刊 メジロファン 第十六号

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命の気配のない色の中

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もう春よ、と若草の小鳥

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それは枯れた実だとそっぽを向くと

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いいえと小さく言って羽ばたく

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これは枯れた実なんかじゃないの

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わたしがつまんで土に落とせば

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やがて芽が出る木の赤ちゃんなの

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かさかさの葉っぱは土のおふとん

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幹の中にはおいしい蜜

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わたしを見つけたら探してみてね

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わたしの羽やくちばしの先に

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静かに宿る春の命を

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若草色のちいさな鳥は

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ちいさな春のちいさな目印

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トントン井の頭特派員のメジロちゃんはこちらからどうぞ

久我山散人湾岸支局長のメジロちゃんレポ大連載









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by ekoekolove | 2012-02-18 16:26 | 繪子譚日日新聞

気刊 メジロファン 第十五号

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新春特別企画
サイバー戯曲 東海道飛鳥旅 第一幕
写真:メジロファン湾岸支局長・久我山散人


2011年の終わる頃、ボクは旅に出た。
2名の助手を従えて、大きなカメラや新しいレンズを持って
撮れたって撮れなくたって構わないような、気楽な旅に出た。

どうせ撮るなら好みの女が良いが、そうそうそんな女には出会わない。
目の前にキリっと顔を引き締めているのは
日本一お高いお富士さんだ。
写真に撮るだけなら、金を払えとも言わないだろう。

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「おいピー公、一寸あのおやまを撮っておいで」
「はーい」

ピー公はピーヒョロと掛け声をかけながら飛び立つと
あっと言う間にお富士さんの顔まで舞い上がった。

「なんだあいつは。
普段ぼんやりしているくせに、矢っ張り飛ぶのは速いんだなあ」

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ピー公は白粉の煙る首筋を撮って来た。

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「旦那。あっしはもっといいもの撮りますぜ。ピーヒョロ!」

抜け目のないヒョロ公は言うや否や、見えないところまで飛んで行った。

「なんだあいつは。
ああ見えてせっかちなんだ」

ヒョロ公の飛んだ先を見ると、白い鷹がくるくると空を回っている。

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「嗚呼、お富士さんにお鷹さんか。
羽振りが良けりゃあ膝の前に並べたいところだが
生憎ボクには羽がない」

そんなことを呟くと、当の白い鷹がゆっくりと降りて来た。

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「この茶色い坊やたちは、旦那のお連れさん?
アタシすぐそこでちょいと活きの良い魚を出してる、ミサ子って申しますの。
今夜は旦那もご一緒にいらっしゃいな」

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ミサ子は睨むような眼でそう言って、直ぐに行ってしまった。

「なんだお前たちは、鷹に魚を喰わして貰っているのか」

助手たちは恥かしそうな顔をしたが
ボクは苦々しく思っているのではないのだ。

年が明けたら、お年玉を弾んでやろう。

近くの木から、おんなじくらいの大きさの
矢っ張り白くて大きな鷹がこちらを見ていた。

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気の良いのの字だ。

「旦那、あすこに見えるの、なンだろう。
白くて大きくて、お月さンの幽霊みたいで、怖いような」

のの字の眼の先を見ると、青い空に白い月が透けて見えている。
大きな成りをして、臆病な奴だ。

「怖いことなんかないさ。
あれはお月さんの昼間の姿だ。
昼間はピカピカ光らないんだ。
お前さんだって白くて大きいじゃないか。
どれ、一緒に撮って、見せてやろう」

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のの字は飛び立つとジッとボクを見ていたが
信じてやろうと思ったのか、薄っすら浮かぶ月の下を、すぅっと舞った。

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「こうかい?
一緒に撮れるかい?」

パシャっと一枚シャッターを切ると
ピー公とピョロ公が覗きに来た。

「のの字君の羽に、お月さんが写ってらあ!」
「本当だ!羽にお月さんが写るなんて!君は素敵なんだなあ!」

調子の良い連中に乗せられて、のの字は嬉しそうに言った。

「旦那その写真、きっとみンなに褒められるよ。
みンなに見せなよ。
そうだ、お月さンとのの字って題名つけるといいよ」

しかしお月さんとのの字じゃ、一寸うどんみたいで具合が悪い。

考えているとピー公がピーヒョロと訊いた。

「うん?のの字の本当の名前かい?
こいつの両親はノスリと言うんだ。
だからこいつもノスリだな」

今度はヒョロ公がピーヒョロと訊く。

「昼間のお月さんはそうさな、昼月とでも言うかな」

それを聞いていたのの字がバタバタと羽ばたいた。

「旦那、その写真には“昼月とノスリ”って題名つけなよ。
そうしてくれたらおいら、旦那のお供になるよ!」

「わかった、わかった、そうしよう」

のの字のお供が役に立つかは兎も角として
そうでも言わないことには納得しそうにもない。

こうしてボクには2羽のトンビの他に
1羽の鷹も助手に従えた訳だが
そうと決めてからふと気がついた。

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トンビ達め、ミサ子に魚を喰わして貰って
のの字を追い出すように耳打ちされたな。

しかしぼんやりとしっかりと気の良い奴と
3羽揃うとなかなか愉快なのだ。

ミサ子には良いように使われたが、僕はもっと
華奢で可憐で、声の良い女が良い。

「お前たち、赤くて奇麗で小さい実の似合うような
可愛い女の子を探してお出で。
尤も、お前たちが探しに行ったら
逃げてしまうかも知れないけどね」

なんのことはない。
旅は楽しければいいのだ。

僕は声を上げて笑うと、意味が判らず羽をばたつかせる助手たちを振り返った。

***** 第一幕おしまい *****

CAST

ボク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おいちゃん
謎の女お富士・・・・・・・・・・・・・・・・・・富士山
助手のピー公・・・・・・・・・・・・・・・・トンビ
助手のヒョロ公・・・・・・・・・・・・・・・トンビ
活魚小料理屋の女将ミサ子・・・・・・・・ミサゴ
気の良いのの字・・・・・・・・・・・・・・ノスリ
マドンナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・メジロちゃん

第二幕に続く。

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by ekoekolove | 2012-01-23 18:11 | 繪子譚日日新聞

気刊 メジロファン 第十四号

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頃は師走、師も走るほどいそがしいこの時期
メジロちゃんが不足していませんか?

メジロちゃん不足が続くと、口内炎、ものもらい、気管支炎などの粘膜の異常のほか
メジロちゃんを探して上を見ていたらしめ縄に頭をぶつけてタンコブをつくったり
小豆の袋を開けようとはさみを入れながらメジロちゃんのことを考えていたら指を切ってしまったり

きけんがいっぱい。

そんな健康上の不具合を防ぐために
各カメラ、レンズによる、各地のメジロちゃんを鋭意集めてみました。(勝手に

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メジリーナ・ディ・ヘグーラ公女。

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チー・チー・バ嬢。

以上、ボデー EOS7D / レンズ EF400mm F4 DO IS USM
メジロファン諏訪本部長撮影。

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ミス・メジー・ワンガン。

ボデーEOS7D / レンズ EF300mm F2.8L USM
メジロファン湾岸支局長撮影。

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「愛じ母子像」

ボデーEOS40D / レンズ EOS40D EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
メジロファンルリ男公園潜入記録係撮影。

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メジライ・マルッコイバッシ。

ボデーEOS50D / レンズ EF300mm F4 IS USM
メジロファン編集長撮影。


まだまだ足りないと云う方は
メジロファンアーカイヴをどうぞ。

創刊号

第二号

第三号

第四号

第五号

第六号

第七号

第八号

第九号

第十号

第十一号

第十二号

第十三号

第十五号はメジロちゃんお宝画像満載でお届けしたい、です。

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井の頭特派員の画像がない~
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by ekoekolove | 2011-12-28 22:40 | 繪子譚日日新聞

ルリ男屋(蕪)季報 ルリ男屋梅雨の花祭り

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紫陽花が見ごろだった頃のルリ男屋より
タイムラグ満載の花便り。

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小鯵彩は先週既にお花がなくなっておりました。

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お花はこんな感じ。

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6月の中頃に咲いていました。

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来年度はまだ間に合いますので乞うご期待。

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穂足袋もそろそろ衣替えかと。

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ウツボちゃんは花期が短いそうなので
今頃茶色くなっているかも知れません。

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ムラサキシキブはどうなっているでしょうか。

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大・バギボウシと丘寅之緒はちょうどいい感じかも知れません。

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なんとかショウマらしきつぼみもそろそろ咲いているかも。

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ヒヨドリ系かと思いましたがなんだかわからず。

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かわいい葉っぱだと思ったらヒヨドリバナの病葉でした。

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こんなのもあったなんて知らなかった。

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みのさんエレベーターで降下中。

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この季節も意外とおもしろいルリ男屋
気が向いたらまたやる気そこそこにレポートします。

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ずいぶん前の.....
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by ekoekolove | 2011-07-01 20:42 | 繪子譚日日新聞

気刊 メジロファン 第十二号

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めじろごよみ
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まだ芽吹かない木立の中

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飾り気のないきみを

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飾る弦のリボン

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早春の花は

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きみが為に

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花開き

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紅をさす

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花に遊び

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花と歌い

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心奪われ

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ためらい

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うるわしいばかりの

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めじろごよみ

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by ekoekolove | 2011-06-13 21:25 | 繪子譚日日新聞

気刊 メジロファン 第十一号

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桜回顧

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萌える春を謳う気圧の
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谷に季節の遣いがいずる
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集いさんざめく公園の
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ひとなどいないかのように
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地上の婚礼はまったく
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空気の冴えの衰えと共に
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始まり上へ上へと
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いつものぼって
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四月上旬、オオカンザクラ、コヒガンザクラメジロちゃん
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メジロファン諏訪支部長兼営業部長兼特命諏訪ッチ係長速報

メジロファン井の頭トントン特派員アーカイブ
メジロファン井の頭トントン特派員メジロちゃん回顧

湾岸支局、カミングスーン?

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by ekoekolove | 2011-04-26 19:01 | 繪子譚日日新聞

気刊 メジロファン 第十号

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甘い香りにいざなわれ
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辿る梅の木の道
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甘い声にみちびかれ
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梅の花に遊ぶ頃
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甘い色にむせながら
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花と見まごう君を
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甘い蜜のようなひとみが
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いざなう甘い幻燈
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梅の木に遊ぶ小鳥の
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甘い招きに いざなわれ
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井の頭トントン特派員のメジロちゃんレポート
寒緋桜メジロちゃん
大寒桜メジロちゃん

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by ekoekolove | 2011-03-30 22:00 | 繪子譚日日新聞

繪子譚日日新聞 お話 「片栗村の娘たち」

「片栗村の娘たち」

はじまりはじまりー

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むかしむかしあるところに
片栗と呼ばれる村がありました。

ここの娘たちはみな気立てが良く、器量良し。

遠くの町や村から、嫁に欲しい
養女に欲しいと云う招きが絶えませんでした。

しかし、片栗村の娘たちはみな
生まれながらにして、嫁ぐ相手が決まっているのでした。
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相手は誰かと尋ねられれば
みなの答えは
「蟻さん」

よそのひとたちは、これを聞くと一様に眉をひそめ
「蟻なんかに嫁ぐより、うちにおいで」
と、半ば強引に娘たちを連れてゆくのでした。
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よそへ嫁いだ娘たちは、それはそれは大事にされ
嫁いだ月は、美しい姿を披露し、家族も心を癒されるのですが
すぐに老婆のようにしわしわになり、みながみな
赤子を産むこともないのでした。
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それでも、あの美しい嫁がまた欲しい。
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毎年毎年、娘たちは連れて行かれ
片栗村には遂に、数人の娘しかいなくなりました。

ある時、娘のひとりに一目惚れをした青年が
「俺の村へおいで」
と求婚しました。
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凛々しく優しい青年に、娘は恋をしましたが
それでもやはり、涙を流して断りました。

よそへ行けない理由は、青年には判りませんでしたが
諦めきれない彼は、自分が片栗村に住むことを決めました。

雪が溶け、春も本番になる頃、娘はよそへ嫁いだ子らと同じように
老婆のように萎れてしまいました。
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青年は嘆きましたが、まだ命を宿していることを知り
変わらず愛することを誓ったのでした。

夏が終わる頃、娘の元に訪れたのは
一匹の蟻。

もはや小さな塊のようになってしまった娘を
蟻は運んで行こうとしました。

青年はいきり立って言いました。
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「この娘は俺の妻だ。
お前なんかには連れて行かせない」

蟻は言いました。

「旦那、この村の娘たちは
地上で生き続けることは出来やせん。

あっしらは、この娘たちに飯を作ってもらう代わりに
地中深くに運ぶんですよ。

そう云う決まりがあるんでやす。
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もし、旦那の気持ちが本物なら
あっしらの家の上に七年後
この子が再び元の姿で、現れるのをお待ちなさい」

青年は半信半疑でしたが、その時、最愛の娘の声が聴こえたのでした。
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「七年も、待って下さいとは申しません。
けれども、もしお待ち戴けるなら
七年後に必ず、愛して下さった姿でお目にかかりましょう」

か細い娘の声を聴いた青年は、蟻の言葉を信じる気になりました。
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そして、他の娘たちも、よそへ行くことを嫌がり
蟻に嫁ぐことを望んでいることを知ると
娘たちをかばってやるようになったのです。
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それから七年。

一輪の片栗が花咲きました。
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どうやら蟻の巣の近くのようです。

周りには、仲間の花が咲き乱れ
少し離れた所から、立派な紳士が
胸の膨らむ思いで、花たちを眺めているのでした。


おしまい
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スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)
春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす一連の草花の総称。

カタクリもそのひとつ。

雪解けの頃に地上に顔を出し、秋までの間、光合成をする。

そうして栄養を蓄えた種には、エライオソームと云う
アリが好む物質が含まれており、アリに拾われることにより
生育地を広げる。

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数少ないカタクリの群生地は、長い年月を経て
自然が作り上げたもの。


日本の主なスプリング・エフェメラルは

キンポウゲ科
キクザキイチゲ・ユキワリイチゲ・アズマイチゲ・イチリンソウ・ニリンソウなどのイチリンソウ属
フクジュソウ・セツブンソウ

ケシ科
エゾエンゴサク・ヤマエンゴサク・ムラサキケマン

ユリ科
カタクリ・ショウジョウバカマ・ヒロハアマナ

(wikiより)


******2年前に作ったお話です*******

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写真はおとといの~*
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by ekoekolove | 2011-03-29 09:35 | 繪子譚日日新聞

ルリ男屋(蕪)日報 ルリ男屋春のお便り

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梅祭り中盤戦のルリ男屋に潜入取材した。

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瑠璃子刀自は山での避暑を先延ばしにして
トイレの案内をしていた。

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ジョビ子は紫陽花の生育状態を調べている。

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小さい白い花もまだ咲いていた。
どうも雌花が多いようだ。

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ひと月前に咲き始め、雌花の息は長い。

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白い大きな花は準備中。

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かたこりもとれた。

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太陽に当たると上を向く習性がある。

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活気を取り戻したルリ男屋。
今日のトリは縁起のいいこの男。

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黒字。

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群がる報道陣をものともせず
旺盛な食欲を見せつけた。

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北国に帰る為に。

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by ekoekolove | 2011-03-27 21:01 | 繪子譚日日新聞