歌花史庵 かかしあん

繪子譚日日新聞 : フォト絵巻「鏡」

雨の日の朝
鏡を見つけた。

紫陽花の鏡は落ちて砕けた。
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「いいの、たくさん持ってるから」

姫沙羅は、重そうだ。
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「仕方ないわ、たしなみだもの」

折り鶴蘭は応えもしない。
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「鏡よ鏡・・・・・」

南天は優しく言った。
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「あなたもお顔を映してご覧」

昼咲き夕顔はうなだれていた。
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「今日はなんだか目が開かないの」

可哀想になって、あたりを見渡すと
雨が止んで、道に大きな鏡が出来ていた。
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や、これは、昼咲き夕顔に知らせてやろう。

そう思った僕は、向き直ったが
彼女らはもう微笑んでいた。
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「やっと見えた!嬉しいわ!」

喜んでいるなら、お節介は止そう。
そして今度は、桔梗に会った。
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「妾(アタシ)の鏡を知らないかぇ?」

物知りのつげに訊いてみた。
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「東の方へ行き給え」

ぶら下がっている石斛(せっこく)に訊いた。
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「紫陽花に訊いてご覧なさい」

そう言えば最初は紫陽花だった。
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「それは私じゃなくってよ。
お隣さんかも知れないわ」

成程、隣にも紫陽花がいた。
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「さっきまではあったのだけれど。
もっと東へ行ってみなさい」

東隣の茱(ぐみ)も言った。
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「早く早く!
急いで急いで!」

とうとう下野(しもつけ)まで来てしまった。
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「ちょいと兄さん、寄っておいきよ」

東の紫陽花に辿り着いた。
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「わたしたちは持っていないけれど
隣の薔薇をご覧なさいな」

薔薇の足元にそれはあった。
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「午後の鏡は心を映すの」

八つ手の心はザラザラだった。
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「やっつ手があったって
忙しくって磨いてられねぇ」

僕はすっかり嬉しくなって
それからあちこち見て歩いた。
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明日になれば、あの桔梗も
自分の鏡を見つけるだろう。
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植物の名前、自信ありません・・・・・
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by ekoekolove | 2009-06-11 22:42 | 繪子譚日日新聞