歌花史庵 かかしあん

熊野さまのお話

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頃は平安の末、遠州池田の宿に
熊野(ゆや)と云う美しい娘がおりました。
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都からやって来た将軍の息子に見そめられ
一度は都へ嫁ぎましたが
郷里に残した母の病を聞き
心を尽くして暇の許しを得ました。
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両親を看取ったのち、かわいがってくれた夫の討死を知り
仏門に入った熊野御前。
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平家物語にも登場し、歌人として知られているそうですが
お墓のある磐田市の行興寺では
熊野さまと呼ばれ、気高い尼僧として今も慕われています。
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5月3日の明け方、こんな遺言を残して
33歳でこの世を去りました。
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私没後女人の病気に苦しむひとで、私の墓に訴えてくれたなら
我が魂魄(こんぱく)必ず十一面観世音の妙智力を藉(か)りてその願望成就さすこと疑いなし
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熊野さまの植えたとされる藤が咲く頃
長藤祭りが開かれ
大勢のひとが集います。
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願いが叶って病気が治った暁には
熊野さまとお母さまのお墓に糸の束をお納めする、と云う習わしがあり
色褪せたものや真新しい糸の束が
訪れるひとの心を語っているようでした。
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毎年お線香をお供えするものの
広大な棚から垂れる藤に吸い込まれ
たゆとうは花の香りばかり。
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by ekoekolove | 2011-05-08 23:59 | 繪子のお散歩